【兄弟姉妹がいるっていいな】
【兄弟姉妹がいるっていいな】
今日は3週間以上ぶりに、ボランティアで行っているシニアのおばあちゃんのところに会いに行ってきた。
ここ最近仕事がいっぱい入ってしまって、休みの日でも予定が入り、おばあちゃんに会いに行けなかったので、今日は久々に会いに行けて、嬉しかった。
シニアホームの入り口で、受付を済ませ、3回までエレベーターで上がる。
予定通りきっちり10時に今日は行けた。
部屋のドアをノックすると、おばあちゃんは、私を快く笑顔で迎え入れてくれた。
3週間以上ぶりに会うおばあちゃんは、変わらず、キチンと髪が整っていて、水色のストライプのシャツに紺色のずぼんを履いていた。
部屋の空気が、ちょっとこもっていたので、窓を開けると、心地良い少しひんやりとした新鮮な空気と一緒に、隣でやっているデイケアの小さい子供たちの笑い声も一緒に、部屋に飛び込んできた。
今日は久々におばあちゃんに会ったので、最近はどうだった?としばらく、お互いの近況報告をした。
おばあちゃんは、ドイツに住む妹が二日に一度は電話をくれるので、嬉しい、と、あとはいつもと変わらないわよ、と、もうすぐメディカル訪問の人が薬を届けに来るからね、と話してくれた。
あとは、私も最近どう過ごしていたかを話して、本棚にあった新しい写真が沢山連なったアルバムのようなものが目にとまったので、それを二人で手に取って見て、おばあちゃんが写真に写る赤ちゃんのお母さんの話や、自分の妹の話、姪、甥、そしてその子供たちの話をしてくれた。
おばあちゃんと、そのおばあちゃんの妹は、全く興味が違う感じで、でもとても仲良しで、お互いが想いあっているのがとてもよくわかった。
このシニアセンターに一人で住むおばあちゃんは、もうずっとカナダに住んでいて、母国のドイツに帰る予定はない。家族は誰一人こちらにいない。沢山旅行をして、沢山の新しい土地を訪れてそこで出会う人々に出会うのが好きだって、言っていた。世界のあちこちを見たかった、って。
ドイツに住む妹は、結婚して、子供を二人授かり、今はその孫に子供が生まれ、ひ孫の面倒や家族と過ごす楽しい時間を送っている。
一歳違いの姉妹。
歩んできたこれまでの生き方が全然違う。
おばあちゃんに、姉妹で喧嘩とかしたことある?って聞くと、ほとんどしたことないよ、って。
妹は、おばあちゃんの自由な生活に羨ましいって思ったことはなかったのかな?って聞くと、妹は家族が欲しかったし、私は自由に一人で旅するのが好きだったから、それぞれがハッピーだったわよ、って。
私は一度、結婚してもいいかなって思ったこともあったけど、でもやっぱり一人で自由に生活するのが好きだから、結婚しなかったわ、って。
私は、旅行のためにお金を貯めて、自由に旅行に行きたかったし、若い頃に沢山旅行が出来て良かったと思ってるのよ、って。
おばあちゃんは、一度も、私の前で自分の人生を嘆いたことはない。
年を取って、出来ることが限られてくるけど、それを受け入れるしかないよねって。
出来ることをやり、出来ないことは、仕方がない、って。
若い頃にやりたいことは、みんなやったよ、って。
今は、このシニアセンターの周りでしか生活できないけど、私は幸せよ、って。
おばあちゃんとそんな会話をしていて、岩手の姉のことを思い出していた。
姉妹仲良しっていいなぁ、って。
お互いがお互いを尊重しあって、お互いの環境を理解しあって、気にしあって、気持ちをシェアできるっていいなぁって。
うちは、実家が自営で、本家で、後継ぎがどうの、って色々あって、祖母に後継ぎってかわいがられて育った兄は、今、後を継いでいなくて、義理のお兄さんが父の会社を継いでいる。
私が結婚するときに、本当は私たちが継ぐことになっていたけど、最後は両親の方から、「気にしなくていいから」って。「二人の自由に生きなさい」、って。
「これはお父さんの問題だから、お父さんが何とかするから大丈夫」、って。
私たちは自由をもらった。
それから数年後、姉家族が岩手に住んでいる。
姉は、地元があまり好きじゃない。
私と電話で話すと気分が悪くなるらしく、最近は殆ど話せてない。
でも、やっぱり兄弟姉妹がいるっていいと思うんだ。
きっと私たちもそんなお互いを思いあえる関係になっていくんだろうなぁって思いながら、今日はおばあちゃんの話を聞いた。
どんなに遠く離れていても、心は近いよね。
”Unlock Yourself”
そんな心が近い兄弟姉妹がいるって素敵だな