sephton195のブログ

カナダで子育てしながら、日々感じたものを書き出しているブログです。心の内面の観察、実験、実行記録。

 【みんな幸せの形は違っていい】

  【みんな幸せの形は違っていい】

今日は、去年の春からご縁あって、だいたい2週間おきに訪れているシニアのおばあちゃんに会いに行ってきた。

そもそも、日本にいる両親が里帰りの度に年老いていく姿を見て、今の私に何が出来るんだろう、って始めたボランティア活動だった。

急に突然、実家の両親に何かあっても、すぐ駆けつけれたり、心のケアなど、何が出来るかわからないけど、とにかくボランティアをすることで、何かの役にたてばいいな、くらいの気持ちで始めたのだった。


約一年半前に、近所でやっていたシニアセンターのボランティアオリエンテーションに6週間通い、それから約3ヶ月後にシニア訪問ボランティアの依頼があった。

オリエンテーションでは、お年寄りの世界、身体が徐々に機能が低下していくこと、今まで好きで出来ていたことが、だんだん出来なくなっていく寂しさ、友人やパートナーが徐々に他界するなどして、心のケアが必要なこと、コミュニティが狭まっていくこと、視界が狭まっていくこと、心の不安、孤独、色々なメンタル的なこと、肉体的、身体的なことを学んだ。

いざ、ボランティア依頼者と、その私がこれからボランティアで訪問する、というおばあさんに会った日、まだ不安もいっぱいで、ドキドキしていたが、依頼者の方は、

「あなたがこれからはリーダーよ。もし、このボランティアが合わなければ辞めてもいいからね。でもきっと、続けるうちに自分にとって良かったな、って思えるわよ。でも、忘れないで。これはボランティアだからね。合わなければいつでも辞めていいのだから」

と、こんな感じのことを話していたと思う。

毎回どんなことを話せばいいのかな、何が出来るかな、とドキドキしながら、とりあえずボランティアが始まる。

おばあさんは、ドイツ人で、結婚はしたことがなく、家族は誰一人カナダにいない。

おばあさんは、旅行が大好きで、20代前半にカナダにやってきて、それ以来お金を貯めては旅に出ていた。

「自由」が好きで、旅で会う人々が好きだった。

足腰も弱り、もうドイツに行くことはないと話していた。

私は、おばあさんの古いアルバムを見るのが好きで、いつもおばあさんのアルバム置き場から勝手にゴソゴソ出して、私が見たいアルバムを吟味して、それを一緒に見るといのが一番好きだ。

私も旅行気分を少し味わえるし、なんと言ってもおばあさんが本当に楽しそうに語るから。

もう通うようになって一年以上経つが、毎回電話口では、「あなたは誰?」といった感じの対応で(笑)、「写真のアルバム見たいな」、って私が話すと、「何処にあるかわからない」、というので、「大丈夫だよ。私が知ってるから」と言って、勝手にアルバムがある棚の扉を開け、取り出す。

少し呆けてはいるが、いつもハッピーで、「私は、やりたいことを若いときにたくさんやった。思い残すことはない。旅行が大好きで色々な所に行った」、と満足げに話す。

一つ下の妹がドイツに住んでいて、2日に一度電話が来ると言っていた。

このおばあさんは、生まれ故郷とは別の異国の地で、家族もなく一人で生涯を終えることになるのだろう。

でも「自由」に旅行を楽しみ、「自由」に生きたのだ。

とても穏やかでいつも優しいおばあさん。

私が訪れるのを、いつも楽しみにしている、と言ってくれる。

私は、ボランティアに行っているのではなくて、逆におばあさんに「愛」だったり、「勇気」だったり、「元気」をいただきに行っている。

"Unlock Yourself"
幸せの形はみんな違ってそれでいい